8月5日(金)〜8日(月) 荒川三山
コース
 1日目 自宅(6:10)ー小田原(7:50〜8:23)ー静岡(9:35〜9:53)ー畑薙第      1ダム(13:23〜13:30)ー椹島(14:30)
 2日目 椹島(6:00)〜見晴台(9:20〜9:40)〜駒鳥池(10:50〜11:00)
      千枚小屋(11:45)
 3日目 千枚小屋(5:00)〜悪沢岳(6:55〜7:05)〜中岳避難小屋(8:00
      〜8:10)〜赤石小屋(9:10〜9:30)〜荒川岳(12:00〜12:10)〜      赤石小屋(15:00)
 4日目 赤石小屋(5:30)〜椹島(8:00〜8:10)ー静岡(13:00〜13:30)ー       自宅(16:40)

 今回は2週間前に行く予定だった南アルプスの荒川三山に行ってきた。天候も安定しており、展望も良かった。1日目は椹島に泊まらざるを得ないのが、南アルプス南部のこのコースの特色だ。
8月5日
 自宅を6時10分に出発して、小田原経由で静岡駅に9:35に着く。特急東海号に乗ったが、1本前の鈍行を乗り継いでもバス発車の8分前に静岡駅に着いていた。静岡で9:53発の畑薙第一ダム行きのバスに乗る。なにしろダムまで3時間半もかかる。乗る前には昼食を買い込むやら準備も気を使う。途中休憩が2回あり、簡単な腹ごしらえはできる。2箇所とも美味しそうなおでんがおいてあり、汁は東京とは違い、赤出汁の味噌を使っている。おでんには味が染み込んでいそうで、美味しそうな匂いが漂う。さっき持ってきた昼食を食べたばかりなので、帰りに試食をしてみたいものだ。道は狭く、場所によってはどちらかが大きくバックしないとすれ違いできない箇所もある。途中で1台、軽四輪車が溝にタイヤを落としていた。
 畑薙第一ダムには予定通り、13:30に着くと、すぐそばに送迎バスが待っており、乗換える。ダムから先は舗装していない。未舗装道は北沢峠に行って以来だ。椹島には2:30に着く。椹島の宿泊施設は平屋建てで3棟つながっており、他にも洒落た木造のロッジがあり、奥には芝生の広場がある。フロントで受付をすませ、部屋に入って荷物を置いてからロッジに行ってみる。

 ロッジには生ビールがおいてあり、早くも飲んでいる人がいたので、600円を払い前祝の仲間に入る。明日からのコースやら何やらで話に花が咲く。逆コースをとる人もいたのでどっちがいいのか少し考えたが、やはり一度決めたコースは現地に着て変更しないほうが良い!
 食事前に風呂に入り、5時から夕食を食べ、明日のために6時頃から横になる。いつのまにか寝てしまったが、6畳の部屋に3人は暑く、頭の方の窓を開けて寝たら、明方寒くて目を覚まし、頭と脚の向きを替えて寝る。

8月6日
 朝5時前に目を覚まし、朝食を摂ってから、6時に出発する。丁度、朝日旅行のグループが出発する時間と重なったため、準備体操だけ一緒にして先に出る。林道を福富橋で別れ山道に入る。しばらくは川沿いの道だが、山が川に迫っているため、道は狭く、桟橋になっているところもある。だが少し歩くと、道は川を離れ、緩やかになる。風がなく蒸し暑い。最初の林道の出会いでホッとして汗を拭く。林道を外れ、階段を上ってからは道も緩やかになり、もう一度林道と交差するが、勾配は相変わらず緩やか。清水平の水量は豊富で冷たく美味しい。ここまで約2時間10分、このコースで最初に大休止したい場所だ。
 清水平からはだらだらとした登りが少し続く。蕨段を越すとしばらくで道から少し上に「見晴台」がある所に出る。丁度NHKのカメラマンたちが東海フォレストの社員と一緒に撮影にきていた。ちなみに東海フォレストは東海パルプの子会社とのこと。真正面には荒川三山と赤石岳が見えるのだが、雲が出ていて、山頂は確認できない。見晴台を過ぎると、登りはさらに緩やかになり、やがて駒鳥池付近で、ちょうど先ほどのNHKカメラマンと東海フォレスト社員の一行に追いつかれ、駒鳥池を探して教えてもらった。池とはいえ水面は見当たらず、一面に沼地に苔が生えている状態になっていた。何も標識がないので見過ごしてしまうところだった。こんな話をしていたらさらに椹島の小屋で同室の人に追いつかれ、千枚まで時間があるのでここでゆっくりしますと分かれる。道はいったん緩やかになった後、左に向きを変え、登りが始まり、ジグザクが少し続いて疲れたと思った頃、千枚小屋に着く。小屋の周辺は高山植物がきれいだ。

シロバナトウチソウとトウゲブキと千枚小屋

 11:45に着いたが、次の小屋までまだ4時間もあり、これ以上登る気はしない。受付を済ませ、着替え、昼の支度をしながらビールを飲む。ビールは美味しかったが、ソーメンのたれがすっぱくて美味しくない!幸い腹は痛くならなかったが、明日以降食べる気はしない。昼食後、汗で濡れたタオルを乾かしたり、うたた寝をしたり、食堂の本を見たりして時間をつぶす。小学生未満と思われる子を含む3人の子供を連れて登って来た親子連れがいたのは驚いた。4:30からの夕食には鳥のから揚げがでて、美味しかった。持ってきたウィスキーのつまみにはぴったりだった。食後も明日のために早く休む。鼾をかく人が多く寝つきは苦労した。

8月7日
 3:45に起き、準備を済ませ、4:30の朝食を摂る。今日は皆、予定コースの長い人が多く、朝からせわしい。東南東の方向に富士山だけが雲海の上にくっきりと顔を覗かせている。だが、水平線には雲があり、すっきりとした日出は拝めそうにない。5:00に出発する。朝露は小屋の建物にはついていたが、ズボンをぬらすほどではなかった。きつい登りもすぐ緩くなり、やがて、三軒小屋との分岐点につく。歩く人も少ないらしく、雑草が一面に生えている。ここからはさらに緩い登りになり、やがて荒川三山が大きく現れ

荒川岳(上)と悪沢岳(下)
、ほどなく千枚岳に着く。千枚岳からしばらく登ってお花畑を過ぎると、急に南アルプスの北部の山々が右手に現れる。

鳳凰三山、農鳥、北岳、間ノ岳、甲斐駒、仙丈、塩見等々。

 やがて、ハイマツもなくなり、石だけの道となり、丸山に着くと悪沢岳は目の前。悪沢岳の山頂は後ろから回るようにして山頂に辿り着く、なだらかな山頂だ。
悪沢岳山頂
 ここまでくると中岳や荒川岳はもうすぐだ。悪沢岳からの下りは結構きつい。一気に2900m付近まで下り、中岳へゆっくりと登り返す。中岳避難小屋は三角屋根の小屋だ。冷えたジュースを飲む。甘味が美味しい。ここから荒川小屋泊まりの人たちと追いついたり、追いつかれたりして歩く。中岳山頂は小屋のすぐそば。
中岳山頂
ここから荒川小屋を目指して一気に下る。この下りの道もお花畑だ。荒川小屋もまだ新しい小屋だ。
荒川小屋と中岳
避難小屋どまりのことも考え、水を十分補充する。
 小屋からはゆっくりと大聖寺平まで上り、急な道を赤石岳を目指す。この約300m、1時間の急な登りはきつかった。3030mの小赤石のコルに着いたときは思わずしゃがみこんでしまった。

小赤石岳より中岳(左)と悪沢岳(右)
 小赤石岳3080mと赤石岳3120mは目の前に見える。ここでもう荷物を持って赤石岳に登る気持ちはなくなり、分岐点にリュックを追いて空荷で上り、今日のうちに赤石小屋に下ることにする。そうするとあと50m登るだけで登りは終わり・・・のはずであった。とりあえず小赤石岳を超え、分岐店に荷物を置き、ウエストポーチだけで赤石岳へ登る。途中親子連れの雷鳥に2回会う。子供は1匹と3匹だった。山頂は静かで他には一人いるだけだった。避難小屋は目と鼻の前だが、もう用はないので覗いてみる気もなかった。後で聞いたら冷蔵庫もなかったとのことだった。
赤石岳山頂

分岐点に戻る途中、中岳で分かれたグループとすれ違う。彼らもリュックを持っていなかったので、私と同じ荒川小屋まで今日中に下るようだ。分岐点で昼食を摂る。7時間半ぶりの食事は美味しい。食事ができる間まちきれず、持ってきたフルーツを食べる。甘くて美味しい。やがて食事も終えて、頂上から戻ってきた何人かずつのグループらと三々五々下る。 急な下りが2600mの水場まで続き一休みする。所がここから登りが富士見平まで約150m40分続き、疲れが出る。小屋には3時に着き、着替えをしてから奮発して500ミリリットル800円のビールを飲む。その後先ほどの仲間とウィスキーなど持ち込んで食堂で飲む。中年の夫婦2組はは旦那が2人とも私と同じ昭和23年度生まれの団塊の世代。この後余ったウィスキーを食事の時に飲んだら、飲みすぎたようで夜中目がさめ、寝られなくて参った。また、敷きマットが薄く硬くて参った。でも、夜中、トイレに行く時見た、天の川満点の星はすばらしかった。

8月8日
 4時半起床。朝食はパンが残ったので、牛乳を買ってあわせて飲み済ます。荒川岳にかかった笠雲が面白かった。

出発の前に荒川小                          屋の前で
 小屋を5時半に出発する。下りやすい道だ。椹島まであと1:30の標識まで順調に下ったが、やはり疲れが出てきたので休んだ時は痛む方の左足をストッレチしながら下る。最後のジグザグ道が大分続いた後、最後は階段で林道に出る。時計を見たら8:00に着く。
 小屋に戻って下山カードがあったので記入して投函してから、ロッジのほうを見たら丁度バスが2台止まっており、登山者を乗せて出発しようとしていた。急いで行って乗れるか尋ねたら、乗れるとのこと。山小屋の領収書を見せてバスに乗り込む。畑薙第一ダムへの途中に落石があり、運転手さんが時々バスを降りてどかしていた。畑薙第一ダムで約40分待たされて静岡行きのバスに乗る。荷物料金は今回は取られずにすんだ。所が私の降りようとした途中の白樺荘というバス停は止まらないとのこと。行きの車掌さんが帰りはいつでどこで降りますかとたづねていたときに、9:40のバスで白樺荘で下りると誰かが応えていたとき、何も言わないから止まるとばかり思い込んでいたのだが・・・。
 静岡駅は暑く、またこんな暑い所に戻ってきたのかとうんざりした。
静岡液からは電車で各駅でのんびり帰ろうかと思ったが、東名高速バスがあることを思い出し、予約センターに行くと20分後に発車するのが東名向丘に止まるらしい。バスが発車するまで15分ほど車内は暑くて参った。東名向丘には4:25に着き、自宅には4:40前に着いた。

追伸
 今回の南アルプスは花が多かった。記憶しているだけでも、タカネビランジ、タカネナデシコ、シロウマアサツキ、ミヤマウスユキソウ、イワギキョウ、ミヤマシオガマ、ミヤマキンバイ、ミヤマオトギリ、ヤリガタケタンポポ、シロバナトウウチソウ、クルマユリ、ホソバトリカブト、トウゲブキ、コバイケイ、ミヤマシシウド、ミヤマゼンコ等々があげられる。
タカネビランジ
ミヤマゼンコと
                                ミヤマキンバイと
                                ヤリガタケタンポポ
ミヤマオトギリ
                               ハヤチネウスユキソウ
                                イワギキョウ
最後は久しぶりに出会った雷鳥の親子です