今回は久しぶりに小屋泊まりだ。関東近郊では甲武信岳以来か。
昨年も予定したが、天候不良で断念した。今年は天気もよさそうだし、ゴールデンウィークであれば、多少の疲れは休みのうちに何とかとれそう。来週6日から7日にかけて、夜行日帰りのバスツアーで100名山の1つの荒島岳に申し込んであるが、なんとかなりそう。
  朝4時10分におきて、自宅を5時に出て、小田急向ヶ丘遊園駅まで30分の道を歩く。始バスを待たず駅まで歩くことを昨年秋から始めたため、かなり遠くまでその日のうちに行けるようになった。最初は奥多摩駅からのバスで丹波に入り、サオラ峠経由で飛竜山からのコースを考えたが、小屋到着が6時ごろになり、きついと考え逆のコースにした。
  塩山駅に7:51に到着、8:08のバスで新地平バス停に9:11につく。同じバス停に7〜8名の人が降りる。今日は朝から暑く、気象庁の天気予報でも最高気温が29度の予想だったため、他の人は日焼け防止用のクリームを塗ったり出発準備に手間取っていたが、私はいたって無頓着で(ただし、さすがに夏は怖いが)登山口を見つけ、さっさと歩き始める。(また足の準備運動を忘れた)登山口で二人づれの人に今日はどこまで行くのかと尋ねたら、雁坂峠方面とのことなので、お先にと先を急ぐ。
  最初は舗装道を進み、ゲートを過ぎると未舗装になった。ただ、広い緩やかな道は続き、一向に山道らしくなってこない。地図で見てあらかじめ分かっているが、やはり面白くない。沢沿いとはいえ、高い木も少なく、直射日光がきつい。やがて、1時間ほど歩くと峠らしき山並みが迫ってきた。川沿いでしばし休憩をとる。後からは誰も登って来る気配がない。ペースが少し速かったのか足が早くもだるい。左に渡るとすこしづつ道も狭くなってきた。もう一度右に渡るといよいよ笹の繁る山道になり、沢も涸れはじめた。少し急な道を10分ほど登ると、もう緩やかになり、峠への道が開けてきた。
  雁峠からの笠取山
   雁峠からは正面に笠取山が見え、01年10月に友人と登った懐かしさがよみがえった。峠には11:20に着いたが、風が強く、温かい茶を飲み写真を撮ったあと、ゆっくり休める場所を探しにさらに歩く。やがて、3つの川の分水嶺(富士川、多摩川、荒川)の標識のすぐ下の場所で昼食にする。ラーメンは今日はコッヘルを洗うことができないので、インスタントラーメンにする。
   昼食後、笠取山の巻道を通り、水神社下から唐松尾山への尾根コースを歩く。地図では点線になっているコースだ。案の定、このコースはアップダウンが多く、きつい。ただし、下りはきつかったが、登りはやや楽なので、逆コースはもっときついのではないかと思う。唐松尾山(2109m)には2:00に着く。展望もなく地味な山頂だ。  

唐松尾山山頂にて

   道が登りから下りに急に変わるので気がつく程度で、うっかりしていると登山道から10mほど入った所にある、登山道とは逆向きの小さな標識を見逃していしまう。さてここからは今日の宿の将監峠小屋までは下りだ。靴の紐を締めなおして、明日もあるので爪先に注意を配る。下りはいままでよりはやや緩やかな道だ。山ノ神土をすぎて5分ほどで急に防火林帯(樹木を伐採し、笹程度の低い潅木だけの広いスペース)が現れ、なぜかホッとする。防火林帯は将監峠を経由し将監峠小屋まで続いていた。
      将監峠にて

  小屋には3:15に着く。早速受付を済ませ、4000円の素泊まり料金を払う。早速着替えをし、500円のやや冷えたおいしいビールを心豊かに味わう。小屋に戻って部屋の壁に寄りかかっていたら、いつのまにか寝てしまっていたようだ。やがて5時近くなり、夕闇が迫ってきたので、寒くならないうちに夕食とする。今日は奮発して250円の中華丼だ。沸騰した湯にレトルトのご飯を入れ、温まるまでもう1本のビールを飲む。
   小屋のふとんは7時になってようやく出された。敷布団がせんべい状だ。しかたがない、我慢をしよう。布団を敷き終えると、隣の人は早速いびきをかいている。私も布団に入ると疲れが出て、うとうとし始めた。消灯は830だった。夜中は何回もさめたり寝たりを繰り返していた。ただ、布団が薄いのでお尻が痛くて夜中に目を覚ましたのには参った。

将監峠小屋にて将監峠小屋からの白樺林

4月29日〜30日唐松尾山・飛竜山・雲取山

新地平バス停〜雁峠〜唐松尾山〜将監小屋〜飛竜山〜雲取山〜鴨石バス停
コース  1日目  新地平バス停〜雁峠〜唐松尾山〜将監小屋
           2日目  将監小屋〜飛竜山〜雲取山〜鴨石バス停

   翌日4:30に電球に明りが灯る。一斉に起きだして寝具をたたむ。外に出てみると意外に寒くない。食事も予約していないので、持ってきたパンを一人で食べ始める。排泄も終了して今日も快調に歩けそうだ。5:20に小屋を出発する。小屋からのすぐの道を登っていくと10分で登山道に出る。ここからは昨日と違って起伏の極めて少ない歩きやすい道だ。7:00に禿岩につく。展望は春霞で良くない。少し下って飛竜権現から飛竜山頂を目指す。山頂までは樹木の生繁る道を歩いて20分かかる。山頂は展望もなく地味な山だ。
飛竜山頂にて
  さて先ほどの飛竜権現に8:00に戻って、今回の予定の山は登ったのでこれからどの道を行こうかと考慮したが、予定ではこのまま前飛竜を下って、サオラ峠から丹波バス停の予定だったが、バスの14:20には早すぎる。とりあえずこのまま雲取山への尾根をもう少し歩いてから下ろうと、雲取山へ向かう。ここからの道も飛竜への道と同様歩きやすく、特に狼平周辺は平らな道が続き、のんびりとした山歩きが楽しめた。結局雲取山直下まで来てしまったが、まだ時刻は10:00を少し回っただけ。早く帰っても、女房に風呂やらビールのつまみやらを催促しても気の毒なので、次のバスでもいいかと考えると目の前(山頂まで40分)に雲取山に登ってみたくなり、結局山頂を目指すことにする。山頂までは250mをほぼ直登する。登り詰めたところが山頂で汗を吹き、ホッとする。
雲取山頂にて
   山頂は静かで7,8人の中学生らしきグループのほかは5,6人いるだけだった。懐かしい石尾根(14年前に歩いた)が東の方角に延びている。山頂に上るまではまだ三条ノ湯に戻ってもいいかと考えていたが、いざ登ってしまうともう戻るのは面土くさくなり、石尾根を下り七つ石の手前から下りることにする。山頂のすぐわきには新しい避難小屋があったが、中にも寄らず、ひたすら下ることにする。石尾根は広々として勾配も大してなく、何か牧歌的な感じがする。雲取避難小屋のところで11:30に昼にする。朝が早かったのでさっきから空腹状態だ。水場は5分ほど下ったところなので取りに行ったが、疲れて登ってくるのもつらくなっていた。昼食後12:10に出発し、ブナ平を12:30に右に下る。バスは14:30なので急いでいけば間に合うかもしれないと思い、少し急いで下る。この尾根道は勾配もゆるく、雲取山を目指すには一番いいコースらしく、家族づれやグループとも結構多くすれ違った。山頂であった中学生のグループを途中休憩しているところで追抜き、堂所を13:15に通過し、13:45頃には途中の横断する車道が見えてきたがなかなか着かない。ようやく14:10に車道に出られた。丁度目の前に女性の2人連れがいたのでバス停に向かうつもりらしいことが察せられた。バス停へは車道を右に進んでからいったん細い道へと近道を通るが、見落としてまっすぐ行こうとしたので声をかけたら気がついたようだ。バス停に出るまでの下りは焦っていたせいか結構長く感じた。ようやくバス停には14:25に着いたが、15,6人のハイカーらしき人が待っていた。行楽期間とあって、途中の奥多摩湖ではバスはギッシリ満員に膨れ上がり、乗り切れない人も大勢いた。
    帰って2日間の歩いた距離を調べたら、1日目が約12km、2日目は約21kmだった。