8月2日(水)〜6日(日)  聖岳・光岳
コース
1日目 自宅ー静岡ー畑薙第1ダムー椹島
2日目  椹島(6:30)ー聖岳登山口(6:45)〜聖沢吊橋(7:45〜7:55)〜聖平小屋(12:10)
3日目 聖平小屋(4:50)〜聖岳(7:00〜7:10)〜聖平小屋(8:40〜9:10)〜上河内岳             (12:05〜12:15)〜茶臼小屋(1:50)
4日目 茶臼小屋(3:55)〜茶臼岳(4:25)〜希望峰(5:10〜5:20)〜易老岳(6:10〜6:20)
             三吉平(7:10)〜光小屋(8:20〜8:30)〜光岳(8:45〜8:55)〜光小屋(9:05〜9:15)
     〜三吉平(10:00)〜易老岳(11:10〜11:35)〜希望峰(12:50〜13:00)〜茶臼岳            (13:40〜13:50)〜茶臼小屋(14:10)
5日目 茶臼小屋(5:20)〜横窪澤小屋(6:40〜6:50)〜ウソッコ沢小屋(7:50〜8:50)〜  
     ヤレヤレ峠(8:55〜9:15)〜畑薙大橋(9:35〜10:00)〜畑薙第1ダム(11:10)
             ー静岡(16:00)ー自宅(19:35)

8月2日(水)
 昨年に引続き、南アルプスの残りの百名山2山に行ってきました。今年は梅雨明けが遅くなり、一時心配しましたが、7月30日(日)になってようやく梅雨開け宣言が発表され、はやる気持ちを押さえつつ2日の水曜日に出発しました。
 バス停で6時の朝一番のバスに乗り、小田原経由で静岡に9時20分に着いたときはすでに15人程度の人がバス停に並んでおり、平日にもかかわらず、昨年より並ぶのが早かった。バスに乗るとき昨年はリュックが10kg以上あり、荷物代として1500円を取られたが、今年は取られずに済みほっとした。最初の休憩所では昨年いたあばあちゃんが今年も元気に商売しているのでうれしくなり思わず、今年も来ましたと声を掛けた。
2回目の休憩所では味噌おでんが昨年美味しそうだったので、今年は昼飯代わりに食べた。狭い山道を、時々様々な車とすれ違いに神経を配りながら運転していくのは、お互い楽ではないなと感じた。
   やがて、バスは畑薙ダムに着いて、東海フォレストの送迎バスの乗換えだ。昨年は時刻表にはなかったが、丁度このバスにあわせて送迎バスが合った。今年の時刻表にもないので、バスガイドさんはしきりに1時間ほど待つことになりますと繰り返していたが、バスを降りたら、すぐに送迎バスが今年もきた。20人ほど乗れるバスは満員で未舗装の道を進む。途中下山に当たる畑薙大橋のすぐそばを通ったので、どんな橋か見ていたら、湖のようなダムを横断する、細く長い吊橋だった。もう少し上の登山口はいつのまにか通過してしまったようだ。やがて、昨年下山口だった階段を左手に見ると、椹島ロッジはすぐだ。
 入口で受付を済ませ、部屋に入る。昨年より宿泊客が少ないのか、静かだ。近くの売店に行ってもまだ開いておらず、生ビールを飲んでいる人もいない。部屋は昨年と同じ3人で、もう一人の人は私と同じコースを予定しているとのこと。埼玉新都心から来た58歳の次男で、おっとりとした性格のこの人(末守さん)とは、結局3日目4日目は同行することになった。この日は風呂に入り、早めに寝る。
8月3日(木)
 快晴。朝6時30分のバスで登山口まで行くが、末森さんは歩いて登山口まで行った。
6:45に登山口に着き、写真を撮ってもらい、軽く準備運動をして登り始める。


  最初は登りが20分ほど続いたが、平になり1時間ほどで聖沢吊橋に着く。コースタイムは2時間なのに、この登りは大したことないのかなと少し思った。しかし、残りのコースタイム4時間40分はほぼ同じ位(4:15)かかった。後半疲れて、乗越からは30分に一回休憩を取った。平らな道になってからも、なかなか小屋には着かなかった。上空にはヘリが飛び交い、小屋まで荷物を上げていた。どうやら小屋増設用の木材だった。
 聖平小屋はサービスが良く、受付でお茶とクッキーを出してくれた。疲れた体にはホッとして有り難く、こんなに歓迎してくれるのかと思った。ハンガーは自由に使えるし、小屋の入口が即カウンターになっているので、何か探していると積極的に声を掛けてくれるのもうれしい。案内も親切だし、夕食のときも食事しながら、山や小屋の概要を教えてくれる。小学6年生の女の子が小屋の手伝いをしていた。(感心!)ただし、寝具はシュラフだ。(茶臼小屋も同じ)
 350cc600円とちょっと高いが缶ビールを飲みながら、昼食のカレーを温めて食べる。この日ヘリは木材を上げに20回以上来たようだ。この日は宿泊客が多く、下の古い小屋にもかなりいっぱいのようだった。夕方は疲れていつのまにか何回か寝る。夜はさすがに寝つきが悪かったので、ナイターを聞きながら寝る。
8月4日(金)
 快晴。4:30の食事はさすがに食欲があまり出ない。4:50に出発し、空荷で聖岳を往復する。小聖までは樹木の中を進む。すぐ後ろには上河内岳、そして遠くには茶臼や光岳が。小聖からは緑はなくなり、石のガレ場となる。途中から富士山がくっきりと見えてくる。聖には7:00に着き、素晴らしい360度の展望が広がる。


  北に眼をやると仙丈、甲斐駒、塩見、そして眼の前には作年登った赤石が。中央アルプスも見えるが北は雲の中だ。山頂で末森さんと合流し、一緒に小屋まで下山する。

  聖平小屋で荷物を取り、リュックに詰め、お礼を述べて、上河内岳を目指す。2383から南岳2702への一気の登りがきつかった。上河内岳の分岐点でラーメンの昼食にする。乾燥のワカメや椎茸も結構おいしかった。酢を持って来たことを最後に思い出して、入れて食べたが結構合う。上河内岳に登ったが、すでにガスっており、あまり展望は良くなかった。

  分岐点に戻って、今日の宿の茶臼小屋に向かう。アップダウンは少しあるものの、道は広々として、尾根歩きが楽しめる道だ。

  小屋の分岐点の手前の広い尾根道には「アルルの丘」という名称がつけられていた。
 茶臼小屋は分岐点から10分ほど下った所にある。受付を済ますと、壁に番号があり、今日はかなり狭いスペースになりそうだ。早速ビールでのどを潤す。夕方は明日のコースをじっくり検討する。宿の人に聞いたら「朝食は4:30なので弁当にして、早く出発した方が良いでしょう」とのアドバイスので、3:30起床4:00出発にする。この日は満員すし詰め状態だった。鹿の鳴き声が8時〜9時頃聞こえた。
8月5日(土)
 10時、11:30,1:10、そして2:40に目を覚ましたらもう寝られなかった。トイレに行き、水を汲んで、3:20に末森さんに声を掛ける。身支度を音と光に注意しながら済ませ、3:55にまだ暗い中を出発する。茶臼岳には4:25に着く。すでに4〜5人の人がいる。山頂付近は岩がごろごろしており進みにくい。暗いので写真も撮らずに先を目指す。ここから下りが続くが、特に希望峰からの下りはきつかったので、帰りは大変だなと感じた。仁田池付近で朝食を摂るが、食欲がなく稲荷を一個だけ食べる。希望峰の下りが終わると、平らな道が続き、歩きやすいので、時間稼ぎをするために歩く速度を上げる。易老岳は樹林の中で展望はない。

  さらに下って三吉のガレ場に出る。ここは携帯電話が使えるとの説明があり、北西方向が開けていて休憩場所としても気持ちが良い。ここからはアップダウンの道でうっそうとした三吉平を過ぎると登りになる。涸れた沢筋で大きめの石が小気味良いほど高度さを稼ぐのを手伝ってくれる。途中聖平小屋で一緒だった若い女性の2人連れとすれ違うが、一日で聖平小屋から茶臼岳を超えて光小屋に昨晩泊まったとのこと。すごいペースに驚く。きつい登りはそれほど長くはないが、それが終わっても緩い登りが結構長い。「静高平」に着くと、小屋まで15分の標識があり、気分的にも楽になる。沢はあるが、水量は少ない。途中から木道もあらわれ、小屋とゆるやかな山頂を持つ光岳一帯の森も見えてくる。

 光岳小屋に荷物を置き、緩やかな道を山頂目指して進むと、樹に囲まれたところに「光岳」の標識があった。

 百名山でなければ展望がない、こんもりとしただけの山頂に、こんなに時間を掛けて果たして来ただろうか。ともかく今回の目的は達成された。小屋に戻る途中女性の2人連れに会ったが、置いてある荷物がかなり大きく驚く。小屋で聖平小屋で買った粉茶を溶かそうとお湯を求めようしたが、売っていないとのことだったので、スポーツドリンクを買う。小屋で休んでいるとき、茶臼小屋で一緒だった3人グループが追いつく。
 帰りは昼食を摂った易老岳までは比較的楽だった。しかし、そこから一旦下ってからの、希望峰までの約200mの登りが疲れた体には応えた。茶臼小屋には2時過ぎに着きホッとする。ビールが大変美味しかった。
 この日はもう後は下りだけだと思ったら、焼酎も合わせて3本も飲んでしまった。同じ容量だが、値段のつけ方がビールは600円焼酎500円とノンベイの足元を見ている。

 3時頃より夕立が一時間以上続いた。やはり今年は太平洋高気圧が弱いのか?
   FM放送が入ると聞いたので早速試してみたら、良く聞こえる。NHKFMで夕方6時過ぎから、フォークからポップスまでやっていたので、(好きなスピッツや宇多田ヒカルの曲もやっていた)思わず聞いてしまう。夜鹿の鳴き声が小屋の近くで聞こえた。夜は良く寝たようだ。
8月6日(日)
 
 茶臼小屋を5:20に出発。ここの下りの道は大変急だ。地図には「水呑場」に水の表示があるが、涸れているようだ。横窪峠小屋(1600)まで840mをわずか1時間20分で一気に下る。沢の水が引いてあり、詰めたくて美味しかった。さらに横窪峠を超えても、結構きつい下りが続く。ようやくウソッコ沢まで出ると、沢沿いの道になり、ここからは緩やかな道になる。小屋の手前、吊橋の先に金属の網状の斜路があるが、片側しかない手摺につかまっても、ここで追いついた小屋で一緒だった人達も滑っている。斜路は朝露や沢の水の飛沫で濡れており、危ない。やはり階段状にすべきだ。沢のそばで休憩している時に聞いたことだが、小屋で売っているビールは期限が切れているとのこと。おそらく東京あたりで期限が切れたのを山に運んで売っているようだ。山小屋では期限を確認して飲んでいる人はいないし、例え文句を言っても金を返されるだけだ。
   ウソッコ小屋は20人程度は寝られる大きさで、床もしっかりしており、毛布や箒などは置いてあるが、あまり泊まった形跡は見られない。
 沢からヤレヤレ峠までは少しの登り。所がここで熊を見たとの情報が結構あるらしい。峠からは畑薙吊橋までは20分程度。畑薙吊橋は全長約180m幅がなんと20cm(板一枚分)。

  渡るのに約5分かかる。左右に揺れるので苦手な人には難しい?ここからは送迎バスの走る砂利道を一時間程歩くが、途中木苺の実が道路脇のコンクリート雍壁の上から丁度頭の高さまで垂れ下がっており、食べると美味しかったので、夢中で食べる。一緒の末森さんが熊状態だと言っていたが、まさにそのとおりだった。畑薙ダムに11時過ぎに着く。ダムのところでは登山指導員らしき人たちがテントを張っており、下山届を提出したか尋ねられたので、ここで提出する。出されたお茶が美味しかった。静岡行きのバスが来るまでに山小屋で作ってもらった弁当を食べる。空腹だったので大変おいしかった。静岡で末森さんとわかれて、各駅停車で小田原経由で帰る。自宅には7時30過ぎに着く。お疲れ様でした。

追伸
次の7日(月)も良い天気で、山でためた洗濯物が気持ち良いくらいに一日で乾いたが、8日は朝から台風の影響で雨。9日も同じく雨、10日こそ台風一過の良い天気だが、11日も曇りがちで西日本はあちこちで雷雨。12日も朝から南アルプスには雨雲があるし、東京も雷が鳴っている。梅雨明けの丁度良い時期に行ってこられて良かった。
今年も山に行くことに賛同してくれたかみさんに感謝!
費用
   交通費(700+2160+2550)×2+820=11640
   山小屋8000×1+7500×3=30500
   弁当700×1=700
   ビール等700+1200+600+1700+3100=7300
            合計50140

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