9月8日(金)〜10日(日)     越百山・南駒ケ岳・空木岳
コース
 8日 新宿駅(7:00)ー(バス)−今朝沢駐車場(1095)(12:45〜1:05)〜下のコル〜上の           コル〜越百小屋(2340)(6:05)
  9日 越百小屋(5:45)〜越百山(6:50〜7:00)〜仙涯嶺(8:40〜9:00)〜南駒ケ岳           (10:25〜10:55)〜赤梛岳(11:40〜11:45)〜空木岳(1:05〜1:15)〜木曽殿小屋      (2:50) 
 10日 木曽殿小屋(6:10)〜仙人の泉(7:50〜8:00)〜六合目(8:50)〜うさぎ平(10:10)
            〜四合目(10:25〜10:55)〜今朝沢駐車場(12:00)ー(バス)ー新宿駅(8:10) 

  中央アルプスは6年前の夏に志村君と木曽駒ケ岳から空木岳を目指したが、宝剣岳を過ぎた当たりから梅雨開けしたにもかかわらず朝から雨がかなり強く降りだしたので、やむなく途中から引き返し、空木岳を断念して下山して以来、ずっと気になっていた。同じコースだとロープウエイに乗って、宝剣岳のそばの小屋にまず1泊するというコースしかないし、池山尾根を行くコースは標高差1500mもある上、登山口までバスはないのでタクシーを利用するとなると一人では難しい。ましてや越百山まで行くと登山口から駅まで3時間はバスもない。と思い、昨年当たりからバスツアーの予定を考えていた。
 前回の南アルプスから下りてきて4〜5日経過した8月10日頃申し込んだところ、一人だけ空きがあると言われ、二百名山の南駒や、三百の越百があるので結構人気があると思った。この旅行会社の旅行券も10000円分あり、代金も助かった。
  天気も台風11号も東にそれ、雨模様はなく助かったが、快晴ではなさそうだった。
8日
 新宿駅を予定通り7時に出発した。朝から蒸し暑く、山の天気も期待できそうにない。今日の添乗員さんは平賀さん、またツアーリーダーは菅原さんだ。今回の参加者は全部で21人、女性が多く、男女比は5:16とのこと。平日なので、渋滞もなく順調に高速を中津川まで進み、一般道を須原まで戻り、ここから集落を抜けると、いきなり山道に入る。車内で添乗員の平賀さんが、宿泊する山小屋の到着予定時刻を説明していたが、19時ごろという説明にバスは静かになる。それなら途中のSAの休憩をもう少し短くすれば良いのにと思った。
 道は狭くすれ違えるところも少ない。登山口駐車場には12:45に着き、身支度を行う。所が蚊が沢山飛び回っており、はたいてもそばに寄ってくる。準備体操をしていても気になるほどだ。

1時過ぎには出発するが、歩いていても周りに飛び回っていて、非常に不愉快だ。しかも涼しいと思っていたら、東京と同じ位蒸し暑い!林道を1時間ほど歩くと、南駒へ登る道との分岐点に出て、右へ進むと登山道へ入る。登山道は樹木が生い茂っているせいか風がなく、林道よりさらに湿度があるようだ。汗が玉のように噴出す。さすがにここまで来ると、蚊はいなくなってほっとした。
 登り道は比較的緩やかできついところはない。菅原さんの説明通り、40分歩いて5分の休憩ペースを崩さない。水場を過ぎ、下のコルを過ぎた付近で、女性が一人、汗を大量にかいた結果、調子を崩した。仲間がいるらしくしきりに様子を見たり、励ましたりしている。10分ほどで仲間に励まされ、立ちあがった。ホッとすると同時に、仲間はありがたいと思った。バスツアーは絶対の自信がないと一人で参加している場合は自分が惨めになる。
 上のコルの標識には注意していたが気がつかなかった。やがて左手に水場の標識があり、しばらくして稜線に出る。右手方向に晴れていれば展望が広がったが、すっかりガスっており、展望は悪く、何も見えない。稜線にでても登りは続き、ジグザグの道となる。この頃になると時間の進みが遅く感じ、40分の登りが長く感じるようになり、休憩までが待ち遠しくなる。所々標高の記載があるが、登っている割にはなかなか高くならないと感じるようになる。やがて、登る左手の樹間に、空が見え出し、峠が近いことを知る。登りは緩やかになり、右に巻いていくと、左手遠くに高い山が見えてきた。


どうやら仙涯嶺と南駒のようだ。少し下り、山小屋に着く。途中で体調の不良を訴える人が出たが、ともかく予定通り5時間で着きホッとする。
  越百小屋の定員は20人。小さな小屋が2つあり、一つは荷物のみの小屋、もう一つは食事と寝室だ。両方とも鼠が出るので、特に荷物は用心してくださいと説明があった。また、消灯は8時とのこと。我々のグループ以外にも6〜7人泊まっているとのこと。そうすると30人程度は利用できるようだ。
 荷物の小屋に女性陣が最初に着替えたが、人数が多く終えるのに時間がかかりそうなので、男性は外で着替えることにする。うす暗くなり始めており、今回はヘッドランプを持ってこなかったので、ライトを手に持ちながらの着替えは苦労した。やがて女性達が終わり、荷物を小屋に入れ、食事ができたと言うので、食事室に向かう。食事スペースも狭く23人が座るとひざがぶつかるので、片方を立膝にして食事した。それでもビールを置いてあったので、のどを潤しながらの食事は美味しい。おかずはてんぷらとサラダそれにスープと漬物だ。特にサラダは山小屋では珍しいので美味しかった。7時近くになっており、お腹が空いていたのでご飯は2杯半食べた。食事が終わると消灯まで50分もなく、トイレや歯磨きそれに薬もあり、荷物が別の部屋の上、寝るスペースも狭く、暑くて大量に汗をかき疲れ、持って来た酒を飲む気にもならなかった。用を済ませ、7時30分には床に着く。寝たのは天井裏みたいな2階だが、1階の食事室の振子時計が1時間ごとに大きな音で鳴り、うるさいので耳栓をして寝た。

9日(土)
  起床は4時半だが、4時に目がさめた。明方雨の降る音がしたが、朝は上がっていたが、越百山には時折雲がかかっている。トイレも2棟しかなく、朝から込んでいたので、外で済ます。水場はなく、昔懐かしい下から押すと水が出るトイレの手洗い場では顔も洗う気がしない。荷物置場に行くと、鼠にかじられた人が一人いたようで、アンパンと合羽をかじられたと言っていた。私は昨晩は忙しくてつい床に置いてしまっていたので、心配だったが、被害はないようだ。5時からの食事は期待していなかったので、そうがっかりはしなかった。弁当を受け取り、身支度をして外で待つ。やがて全員集合したところで準備体操をする。

出発する前に今日の行程は7時間ほどで、予定到着は3時頃という説明だったが、山エキスパートCDで調べたら、5時間だったのでそんなにかかるの?と疑問に思った。5:45に出発し、しばらくは今朝の雨で草露で、ズボンが濡れたが、やがて道も広くなり、気にならなくなった。
   登りも昨日より緩く、1時間ほどで300名山の越百山(2613m)に着く。

山頂のそばにある大きな岩が印象的だ。残念ながら、雲がかかっていて展望はなかった。ここからは少し下って仙涯嶺に向かう。ところが、途中から小雨が降ってきて合羽を着ることになる。コケモモの紅葉がはじまっていて、きれいだ。さすがに3年前に見た北海道のトムラウシにはかなわない。途中から大きな岩が登山道の周辺に沢山出てきて、道はその合間を縫って作られている。

   仙涯嶺は頂上を示す木の標識があるが、山名の記載がない。
仙涯嶺山頂にて
  小雨はやみそうにないので、合羽を着ながらの休憩だ。仙涯嶺を出発してから、雨は小降になったり、やや強く降ったりとリズムを変えながらも降り止まない。歩き始めてようやく30分を過ぎ、登り道になった当たりから雨がやみ、日が出始める。休憩時になり、ようやく合羽を脱ぐとすっきりする。こういう時でも40分に1回の休憩サイクルを崩さないのはえらい?合羽を脱いでからしばらく歩いて、200名山である南駒ケ岳に着く。

   山頂には岩が沢山あり、平らなところが少ない。また、祠が設置されている。10時30分近くになったので30分間の昼食休憩になった。お握りは2個入っていたが、ネタがラッキョウと梅干だ。ラッキョウもめずらしが、梅干のしょっぱさには正直閉口した。2個入っていたが、さすがに1個の半分は口に入らなかった。山頂の標識はつい最近立てなおされたものらしく、しっかりしている。茶色の木材に白い文字なので大変見やすい。写真ではわかりにくいが、ここでは進行方向が右方向に鋭角に変わるので、ガスっている時は注意が必要だ。
   ここからはさらに岩が大きく道に迫り、時間がかかるようになる。時折、すれ違う登山者にであうようになる。団体なので、ごめんなさいと言いつつ、待たしてしまう。赤梛山(あかなぎやま)を越えると上空にようやく青空が広がり始め、稜線の彼方に雲の切れ間から空木岳らしき峰が見えてくる。また、下には街が見えてきたので、携帯を使ってみると自宅まで通じた。標高があがるにつれ、コケモモの紅葉が見事になってきた。
   空木岳には1:05に着く。

残念ながら、また雲が広がり、展望はなかった。ここでようやく多くの登山者を見かける。すぐ下に駒峰ヒュッテが見える。国立公園内に町の山岳会が造ってしまった、大変珍しい例だとの説明があった。普段は無人だが、予約を入れると管理人が登ってきて食事のサービスをしてくれるそうだ。その方向に「池山尾根10km」の標識がある。標高差1500mのロングコースだ。ここを登ってきて日帰りで下る夫婦があった!
   空木岳からの下りは急だった。何しろ小屋まで約400mの下りだ。下から見上げる岩も大きく、改めて巨岩の大きさを知る。


鎖場もあり、段差も大きく、神経を使う。下ってもなかなか、木曽殿小屋は見えてこなかったが、ようやく30分ほど下ると茶色の建物が見えてきた。昭文社の2000年の地図にはコースタイム40分とあるが、間違いなく1時間以上かかる。途中木曽殿小屋の予約を満員で断られ、やむなく駒峰ヒュッテに泊まるという人に多くすれ違う。確かに中央アルプスは山小屋があまりないし、コースも限られている。今回のコースを歩く人は少なく、北側の駒ケ岳ロープウエイから登り、木曽駒ケ岳、宝剣岳から稜線を空木岳まで歩き、ここから下山する人が多い。木曽駒ケ岳の近くには4〜5軒の小屋があるが、こちらがわは定員120名の木曽殿小屋1軒しかない。いきおい、満員になってしまう。

 小屋には2:50に到着する。1階が食事室で2階が寝室のようだ。荷物を置き、お茶のサービスがあるとの説明だが、着替えたい!ので、2階に荷物を運び、シャツとズボンをはきかえ、(菅原さんはいつも着替えない!)下でビールを飲む。ここは500円だ。女性達がつまみの差し入れをしてくれた。話をしている内に焼酎でも飲みますかということになり、持って来た焼酎がようやく役に立った。3人で飲んだので、あっという間になくなった。コップを忘れて、途中のSAでいただいた紙コップが役に立った。須永さんと菅原さんはお互い良く知り合いの様子で、証券業界やら世界の国の治安の様子やら話が尽きない。玄関のそばには荷物が積まれ、落ち着き先のない人が階段やらにたむろし始める。やがて、食事の準備をするために一旦上に上がり、寝床の場所の説明があったが、探し物をしていて注意が散漫になっていた。どうやら男5人も固まっていないので、平賀さんに聞き、ようやく寝場所を確保するが、通路と女性に挟まれた場所になりややがっかりする。食事は5時少し前から始まる。炊き込み御飯とおでんだ。ビールを飲みながらいただく。具には味が染み込んでおり、また汁も美味しかった。食事が終わると、焼酎のよいも手伝って、寝むくなる。通路のそばなので夜中起こされるかもしれないと思い、寝る準備がおわったので、6時前にも横になる。そのうち眠くなり、いつのまにかウトウト寝てしまったようだ。夜中は寝返りを打つ時、少し背中が痛かった。

10日(日)
 3時過ぎにトイレに起きると星がきれいに瞬いていた。はるか上空には飛行機より高速に動く明るいものが見えた。なんだろうか?すでに真っ暗な中、空木岳を目指して上っている人がライトの光で解った。小屋の中は朝4時前からうるさかった。4時45分には照明がついた。雲海が東の空に広がっていて、はるか彼方には浅間山、蓼科山や八ヶ岳が見える。
左2番目が浅間山・中央が蓼科山
  右手稜線沿いには、南駒ケ岳や赤梛山が見える。外は風が強く寒い。寒暖計は12℃を記録してるがもっと寒く感じた。日の出は5時半過ぎだが、小屋からは空木岳への稜線に隠れて見えない。その稜線の上空には、雲が南から東へとたなびき、その雲に太陽の光が当たったところから、赤くなる現象が見えた。

  ビデオに写したら見事だったろう。朝食は5時15分からだった。朝は1回で済むようだ。どうやら2人に1人は朝食も摂らずに出発しているようだ。食後準備体操をして、5:45に出発する。
  道は広く、しばらく勾配も緩い。小屋にも張り紙があったが、義仲の力水は涸れていた。上空には青空も見えてきた。展望台からは空木岳の勇姿が見えた。展望台から下って10分ほどのところで北西側に雲海から2つの山が見えた。白山と木曽御岳山だ。
木曽御嶽山
  仙人の泉(2200m)は水量が少なく、水を確保するのに時間がかかる。そこからは下りが急になり、六合目で沢に出るが、さらにもう一度登り返して、下ると「うさぎ平」で林道に出る。

  林道の途中で昼食を摂るが、ここから先は登るときと同じように蚊が沢山寄ってくる。虫除けのせいか、急に歩く速度が速くなり、これが後の背中の痛みの原因になる。12時に駐車場に着くとすでにバスが待っており、整理体操終了後、早速乗りこむ。
 途中で寝覚ノ床ホテルの温泉に入り、道の駅に寄って、土産を買い、権平峠経由で中央高速に入る。行きは中津川IC経由で来たが、こっちの方が確実に3〜40分は早い!高速の分岐点で運ちゃんの感違いで危うく方向を間違えそうになる。50km付近から渋滞があったが、新宿には予定より50分も早く20時10分に着き、自宅には21時10分に帰る。
   追伸
   翌日の月曜日から背中に痛みが走り、火曜日も痛みは消えなかった。水曜日以降、マッサージを行ったせいか少しづつ収まってきたが、まいった。
   今回の山で見かけた高山植物
  トリカブト、ハハコヨモギ、トウヤクリンドウ、ウラシマツツジ、シシウド、エドシオガマ、イワツメクサ、アキノキリンソウ、ノアザミ、等

 感想・書込みはこちらから

最後に旅行会社が配布したカシミール3Dの資料を添付します