平成21年8月14日(金)〜16日(日)白山
コース 
1日目 新宿駅南口22:00〜
2日目 6:00金沢〜6:45−8:55別当出合9:05〜9:35中飯場9:40〜11:05甚の助小屋11:18〜室堂ヒュッテ13:35
3日目 室堂4:00〜4:30御前峰白山5:30〜7:00室堂7:30〜8:15殿ヶ池小屋8:25〜9:05分岐9:13〜別当出合10:00

 梅雨明けが遅れ、白山を半分あきらめかけていたところ、8月13日になって、突如晴れの天気が続くとの予報が出る。9日にバリ島旅行から帰ったばかりだったが、待ってましたとばかり、夜行バスの予約をする。当初は13日(木)にも出発したかったが、電話したバス会社すべてが満席なので14日の出発となった。
14日(金)
 当日新宿駅南口発は初めてだったので、新宿駅で2回ほど聞いて出発場所にたどり着く。ところが、出発待ち合い場所は狭く、座るイスもない。乗車時間まで30分ほど立って待った。5分前にようやく乗りこむ。予約した時はあと2席しかないと言われたが、乗ってみたらガラガラで途中からも満席にならなかった。大山に行ったときと同じ3列シートのため、快適だ。今度は窓際の席のためバスの音がやや気になり寝付きはよくなかったが、それでもいつのまにか寝たようで、何回か目は覚めたが朝5時に目が覚めた時は富山を過ぎていていたようだった。
 
15日(土)
 金沢駅前に定時に着く。金沢駅には12年ほど前に来たことがあるが、その時より新しくなったようだ。別当出合行バス乗り場を確認し、とえりあえず、顔を洗うために洗面所を探す。駅構内に入ると反対側にもバス乗り場がある。警備員さんに白山行の降り場を尋ねると、降りた東口でいいようだ。顔を洗ってから、食事する場所を探すが、駅構内にはベンチがない。仕方がないので、別当出合行バス乗り場に戻って、バス停のベンチで朝食をとる。食後歯を磨き、薬を飲むためにトイレに行って戻ってきたときにはすでに数人が並んで6:45発のバスを待っていた。バスがつき、バスの切符を買ってから、他の人が白山バスクーポンを持っていた。聞いたら、宿泊料金と往復バスで1000円安いとのこと。切符を払い戻して、クーポン券を手に入れる。
 定時に発車して、市内を抜け、郊外の道を進む。山に近づくと、寺社が多くなる。やはり白山も宗教の山だ。自家用車規制のある白山温泉を過ぎ、別当出合に着く。標高1250mとあるが暑い。山頂の天候の表示があり、気温11度視界10mとある。山頂付近は涼しくても霧があるようだ。水道の蛇口が4つあり水の補給をする。どうやら水は豊富らしい。


 今回の登山ルートは時間の短い砂防新道を選ぶ。室堂までのコースタイムは4時間、それでも標高差は1200mにも及ぶ。出発して、すぐ観光新道は左へ一方砂防新道はまっすぐに進む。目の前の川に新しい吊橋があり、説明板によると、数年前に土石流で以前のつり橋が崩壊し、それより高い位置に今のつり橋が作られたとのこと。中飯場までは緩い登りで、道に幼児の写真入りで、「足元に注意」とか「水分補給」の文字があり、微笑ましい。

中飯場にも蛇口があり、冷たい水が豊富に出るので助かる。しかもここからの登山道にはしばらくの間、大きな石が水平に配置され、道幅も広く大変登りやすい。

途中甚ノ助谷を右手に見る。急勾配の谷で、これでは土石流も発生するようだ。いまではコンクリートブロックが左右に積まれ、発生を防いでいる。

 甚の助小屋にも多くの登山者が休憩している。小屋のそばで休憩したら、ポッカをしている若い人がそばにいたので、アルバイト代を聞いてみたら、`15円とのこと。室堂より近い南竜小屋とはいえ、30キロでも4500円にしかならない。若くなければできない。


  甚の助小屋からいよいよ最後の2か所の急登が始まる。最初は南竜小屋分岐点まで20分ほどだ。きつかったので、分岐点でまた5分ほど休む。ここから南竜小屋方面は平だ。分岐点からはしばらくは勾配の緩い登りになる。この間に沢の小さな流れを何回か横断する。急になる手前の沢のそばで12時を過ぎたので、昼食休憩とする。カレーライスだ。空腹になっていたので100円カレーでも結構おいしかった。
 昼食休憩後の12:40に再び歩き出す。黒ボコ岩までは最後の急登の道だ。これを登りきれば後は大したことはないと思い頑張るが、疲れてきたせいか、家族連れにも追い抜かれる。
 ようやく着いた黒ボコ岩は名の通り黒い四角い岩が2〜3個ある。

  また、ここは観光新道との合流点でもある。ここまでくれば後わずかだ。
 黒ボコ岩から少し登ると、弥陀ヶ原の木道に出る。山頂も見え、ベンチのあるところでシャッターを押してもらう。

どうやら正面に見えたのは白山山頂で、室堂はその途中の少し登ったところにあり、山の膨らんだ陰になり、ここからは見えないようだ。木道が終わり、登りになってから15分ほどで室堂に到着する寸前にアンテナが見え、建物があることがわかった。
 室堂センターには13:35に着く。昼食休憩を除くとちょうど4時間かかったことになる。電話で予約した時に4つの宿泊棟があると聞き、大きい施設だと感じたが、受付棟も大きく、入口の土間も広い。受付を済ませ、宿泊棟に案内され、荷物を置く。夕食は5時〜5時20分、朝食は5時から7時半までとのことだ。どうやら乾燥室もあるようなので、トイレで汗でびっしょりになったシャツとパンツを着替え、タオル3本と一緒に乾燥室につるす。そしてさっそくビールだ。ビールを買っているとき、自然観察会が3時と4時の2回約45分間行われるとの放送があった。
 生ビールもあったが、夕食時に飲むとして、とりあえず缶ビールで今日の登りに乾杯する。

 やはり標高差1200mはきつい。しかも夜行便だからなおさらだ。軽めの靴でよかった。
 ビールを飲んだ後自然観察会に参加する。高山植物をよく説明してくれる。

 部屋に戻り、休憩していると疲れでいつのまにか寝てしまい、一度4時20分に目を覚ますが、さらにもう一度寝てしまったようだ。気がついたら5時半で夕食時間を過ぎているのに放送が聞こえなかった。部屋にも人がいるので、夕食が遅れているのかと思っていたが、もしかしたら寝ていて気がつかなかったと思い食堂に行ってみたらとっくに始まっていた。
 食事の時、ご飯のふりかけから話のきっかけが生まれ、、隣の席の人は地元福井の人でもう何回か登っているとのこと。どこから来たのかと聞かれたので答えたら、横浜に住んでいたことがあるというので川崎市だと答える。山の話は北海道の遭難事故の話からトムラウシ山のことを話し、白山の登山道の整備の良さをほめ、ゴミの話になり、富士山はゴミが多いと答えたら、どれくらい登っているかと聞かれ、白山で88番目ですと答え、(こんなにいい山を)88番目にしてすみませんという言葉が自然に出ていた。白山は家族連れが多く、今回の登山で地元に愛され地元の自慢の山になっているとつくづく感じた。
 食後部屋に戻り、うとうとしていたら、夕焼けがきれいだという声がした。外に出てみると、太陽がオレンジ色の輝きになり、今地平線の彼方に沈もうとしていた。雲もきれいなオレンジ色に染まっている。

そして地平線の彼方に太陽が沈むと自然に見ている人から拍手が出てきた。
 部屋に戻り、寝ていたら明朝、山頂付近で日の出鑑賞後お池めぐりコースで自然観察会があるとの放送で目が覚める。せっかく寝ているのに早く放送してよと思った。消灯の8時半に電気が消えいつのまにか寝てしまう。

16日(日)
 夜中暑くて目が覚め、12時半ごろトイレに行ったが星が出ていなかった。朝3時半に隣の人のベルで目が覚める。身支度をして、3時55分に空荷でセンターを出発する。山頂には4時半に着く。

どうやら今朝の1〜2番のようだ。多くの人がご来光を見に、山頂に登って来るのが見えた。やがて神主さんと思われる人が一番の高みどころに立ち、白山の生い立ちや晴れていれば見えるであろう山や町の方向、最後には自らの足で登ってこられた感謝を込め、日の出の前に万歳三唱の音頭をした。

日の出は地平線に雲があるため約5分遅れて、顔を見せる。

 日の出観望終了後、お池周りを兼ね、観察会に参加する。観察員は昨日と同じ3名とも山頂まで登ってこられ、3組に分かれてお池めぐりをする。山頂付近は岩だらけでさすがに昔の噴火の名残か植物はない。

いくつかの池の中で翠ヶ池は残雪に覆われた池で1年中とけることはないらしい。

ついて行ったグループの参加者は進むのが遅いので、途中から別の女性の観察員のグループに移ると、はきはきした説明で聞きやすくわかりやすかった。
 7時に室堂センターに戻り朝食をとり、身支度を整え、7時半にセンターを出発する。下山は観光新道だ。コースタイムは3時間だ。11時半のバスにゆうゆう間に合うはずだ。途中の殿ヶ池避難小屋までは高山植物が乱れ咲く、お花畑の中の道だった。

 登頂も無事終え、ゆったりとした気分で花の写真を撮りながら下る。今年は梅雨明けが遅れたせいか、白山の花の豊富さは見ごたえがあるだ。観光新道の方が砂防新道より全体的に道幅が狭く、しかも最後に別当坂分岐から30分は急坂が待っていた。この急坂はつらかった。弱い左足に踏ん張りが利かなくなってきた。下りも登りと同様、暑くてまいった。別当出合に10時に着いた時、シャツは汗まみれになっていた。上を着替えてから汗で濡れたシャツやタオルを休憩室に広げて自宅に無事下山したことを報告していたら、バスの車掌さんらしき若い人がお客さんは10:20発の市ノ瀬行きに乗りませんかと聞いてきた。そこからバスは金沢行きまで出ていないでしょうと答えたら、市ノ瀬で温泉にはいり次の金沢行きを待つ方法もありますよというので入浴代を尋ねたら600円との返事なので、急きょ温泉に入ることに決め、荷物をたたみバスに乗り込む。
 温泉は硫黄温泉で気持ちよく、汗を流し、髪を洗いひげをそりさっぱりする。ビールを飲みたかったが汗をかくので、電車に乗ってからにする。金沢駅からは特急はくたか号で車内でビールと駅弁を食べながら、越後湯沢経由で帰る。越後湯沢からの新幹線はお盆帰りの混雑にあい、座れなかった。それでも6時40分に東京駅に着き自宅には7時45分に着く。