3月2日(日)〜10日(月)ネパールエベレスト街道トレッキング

行動スケジュール
2日10:00成田空港発22:20カトマンズ空港着24:00マッラホテル着
3日6:20マッラホテル発7:30カトマンズ空港着10:00カトマンズ空港発10:40ルクラ空港着11:00ルクラ発10分ほど歩いて昼食11:40出発15:20パクディン(標高約2610m)ロッジ着
4日8:00ホテル発11:10モンジョ着12:30モンジョ発16:15ナムチェシャングリラロッジ(標高約3440m)着
5日8:30ロッジ発10:30ホテルエベレストビュー(標高約3880m)着
6日8:30ホテル発クムジュンクンデ経由11:00クンデピーク(標高約4000m)着11:50クンデピーク発13:30ホテル着
7日7:30ホテル発8:20ヘリでルクラへ8:25ルクラ空港着8:45セスナでカトマンズへ9:45カトマンズ空港着11:45マッラホテル着12:00昼食店{サイノ}着へ13:45みやげ物店ルートネパール着買物語市内繁華街散策 17:45ホテル着 夕食は「ボザンクリファー」へ
8日10:30オプション観光出発 古都「パグタブル」へ15:45ホテル着 18:30ホテル発夕食の日本食店「桃太郎」へ
9日9:30オプション観光「バスティナート」と「ボタナート」へ 13時ホテル着 近くの日本食店へ 午後ホテル近辺散策(王朝博物館へ行ったら午前中のみの開放のため入場できなかった) 18:00ホテル内テラスで夕食 20:00ホテル出発 21:00空港着 23:50頃カトマンズ空港発
10日 6:00香港空港着 9:00香港空港発 14:00成田空港着 16:30自宅着

 今回大田区役所の嘱託勤務を去るにあたって、最後の休暇を有意義に使いたいと思い、海外の山へ行ってきました。国内はまだ冬、特に2月中旬に降った雪でどこもまだ積雪があり山は難しいので、台湾かアジアの山を考えていたが、アジアにはエベレストという世界一高い山があり、ぜひこの眼で見てみたいと思い今回のツアーに行ってきた。
 富士山に2回ほど行ったことがあり、高山病にはかからなかったので、4000m程度であれば自信はあった。

2日
 ネパールと日本の時差は3時間15分。空港に着いたのが10時過ぎ、

ホテルに着いたのは日本時間では深夜3時過ぎ。部屋に入って、すぐ寝たが、興奮しているせいか寝が浅かった。
3日
 それでも朝は頭は冴えていた。
ホテル前で
しかし、カトマンズ空港でかなり待たされた。
出発予定の8:30を過ぎても飛ぶ気配がない。他空港への便はどんどん(特にポカラ行き)出ているのになぜかルクラ行きの便はかなり

遅れている。FRY ON TIME(電光掲示板)の出発時刻が2回訂正され、ようやく9:30が過ぎて、現地案内人のラクバさんが上山さんの所に駆け込んできて、飛行機が出そうだというのがわかった。
 旅行会社のパンフレットには「国内機」とあったが、どう見ても私にはセスナ機にしか見えない。

定員15名、3名づつ5列の狭い機内だ。結局出発したのは10時になっていた。飛び立って5分しただろうか、突然左方向に雪をかぶった多くの山々が見えてきた。一同うわーという歓声が上がった。いよいよネパール山脈の麓に来たというのが実感できた。

シャッターを続けざまに押す。やがて右手方向に滑走路が見えてきた。着陸した時は振動が大きかったので驚いた。よく見ると滑走路が水平でなく、停止距離が短くなるよう登り坂になっている。これだと離陸するときジェットコースターのようにスリルがあるのかなと思われた。セスナから降りて、写真を撮ろうとしたが係員がすぐ離れるよう手を動かしている。

 手荷物を確認して空港を後にする。いよいよトレッキングの始まりだ。

 歩いて5分くらいの所で昼食のため建物内に入る。室内は暗く寒いので外で食べようとしたが他の通常人に迷惑がかかるので室内にする。大きいおにぎり2個入りの弁当だったが結構おいしかった。ポーターの紹介があったがカジさんとスーザンさんはわかったが、それ以外は言葉が良く分からずしっかり聞き取れなかった。若い人が多い。

 はじめのうちは道は平らで登りもない。ただ牛やゾッキョと呼ばれる動物の糞があちこちにあり、しかも臭うので、なれない間はまいった。建物の間から見える高い雪の山はやはり神秘的だ。子供たちも健康的でかわいい。



所々にあるマニ車をまわす。5色の旗(紫白赤緑黄)(トルチェ?タルチ?)がきれいだ。ポーターの荷物も重そうだ。30kg程度あるのだろうか。とてもまねはできない。
 郊外に出ると道に石が多くなり、注意を用する。またアップダウンも多くなり、吊橋もあちこちに出てくる。渓流はきれいだが、勾配があるせいか水の流れが激しく、音がうるさいほどだ。



 3時間半歩いて今日の宿バクディンロッジに着く。

早速ビールで乾杯する。おいしい!1階が食堂で2階が寝室だ。
トイレは水洗だが、金隠しがなく、紙も別の容器に捨てるようになっている。

夕食も美味しい。夕食の後ロッジで働いている人の紹介があった。

夕食のビールとワインで部屋に戻るとすぐ寝た。

前日の浅寝を取り戻すよう爆睡する。

4日
 よく寝たせい体が軽い。朝早く起きてロッジの周囲の写真を撮る。

 朝食は先ずお粥が出る。そのお粥も梅干し、マーガリン、ふりかけを入れる用材料がそろっている。こんなお粥の食べ方も美味しい。

その後パンや野菜やソーセージの食事が出てくる。和洋折衷だ。

朝出発前にポーターの荷物を背負ってみる。と言っても頭にかけそれを手で支えるが、重量があるので、手を添えないと頭が後ろに持っていかれるのがわかる。実に重い。いい体験をした。

 やがて出発し、渓流を見ながら、トクトック・チュモアを抜け、

途中暑いので半袖になる
モンジョで昼食となる。

ポーターに人は近くの自炊できる建物に入って食事を用意してくれる。やがて温かい食事がスープも含めて出てくる。実にありがたい。

 昼食の場所からすぐ先は国立公園の入り口だ。ここから先はナムチェバザールまで集落はない。

一旦下って川のそばまで下るとあとはいよいよ登りが始まる。最後の吊橋が見える。

吊橋のすぐ下に来て、渡り始める。

明日のエベレストビューホテルまでの標高差約1080mだ。途中まず200m登った所に最初のエベレストビューポイントがある。見れるといいな。
 下から登って行くと建物(トイレ)が見えた。あそこが最初のビューポイントらしい。
 ビューポイントに着いて、

見える方向を示されたが、残念ながら雲が厚く見えない。が、右側のローチェはかすかに見えた。
 さらに登ってやがてナムチェバザールに着く。すり鉢状の町だ。

町の中の階段を上って今日のシャングリラロッジに着く。
 またビールを飲む。美味しい!

夕食前に買い物に出かける。

上山さんは値切りきる(主張を押し通す)と言いきっていた。それにしても安い。名物の毛糸の帽子が400円だ350円だと言っている。
 夕食も豪華で美味しかった。

 ただ食堂と部屋が道を挟んで別棟になっており、寝室が3階(と言っても下がゼロ階なので事実上4階)なので階段の登り降りには苦労する。洋式トイレはあるが、便座カバーがない。冷たい陶器にお尻をつけると日本のトイレが恋しくなる。

5日
 朝起きて暗いうちは気がつかなかったが、明るくなってから同室の萱場さんが「雪だ」と言った。

外を見ると町の中は銀世界だった。しかし降ってはいないのでほっとする。
山も前日まで上の方しかなかった雪が、下まで雪で白くなっている。

積雪量はそんなに多くない。5〜6cmだろうか。外へ出て萱場さんは写真を撮っていた。朝食は昨日と違がったパンが出る。

 8時にロッジを出発する。

雪の道を歩き、いよいよネパール山脈の中央部に近づいたという感じがする。
町を抜けると展望が広がる。

階段状の道が続く。やがて上の方に建物が見えてくる。

どうやらエベレストの展望台のようだ。近づくにつれ勾配も緩やかになる。すると急にエベレストだという声が聞こえてくる。どれと尋ねると、前方中央部に見える3つの山の中央がどうやらエベレストのようだ。
左ヌプッツエ(7896m)中央エベレスト(8848m)右ローツェ(8511m)
見えた!ついに見た!世界最高峰の山だ!9時54分。ついに世界最高峰の山を見た。シャッターを切る指にも力が入る。白銀の世界がさらにムードを盛り上げる。

 エベレストビューポイントからは40分足らずで今日の宿エベレストビューホテルに着く。

早速テラスで記念撮影する。
ポーターと(左カジさん右スーザンさん)
 石造りの落ち着いたホテルだ。テラス、食堂、各寝室、すべてエベレストを正面に見るよう建てられている。食堂が半地下で1階に受付とティールーム、ティールームからテラスに出られるようになっている。各寝室は2階になっていて3階以上はない。さらにティールームから屋上部に六角形の屋根つきのサンルームに行けるようになっている。サンルームは昼間は一番暖かく、正面に当然エベレストを望める。さらにその外側にテラスがあり、360度の展望が楽しめる。食堂には円形の大きなペチカがあり、食事時には薪に火をくべられる。何しろ電力事情が悪いから(カトマンズ市内でも1日16時間停電とのこと)このホテルも例外ではなく、部屋には小さな電気ストーブが1個あるだけなので寒いことこの上ない。ティールームでも朝、氷点下2度だし、ペチカがある食堂ですら0度前後だ。パンストがほしいぐらいである。
 その後各室に行き荷物を置く。室内はやはり今までのホテルよりより広い。

 食堂に集まり昼食を摂る。ここでもやはり写真撮影だ。

 昼食後サンルームに行ってみる。

あったかく疲れもあり敷物の上で20〜30分ほど寝てしまう。気持よかった。
 その後お菓子をもちよりダベリを開く。暖かいのが何よりで心も和む。
 夕食も美味しかった。

食後、部屋に戻っても寒いので皆で食堂のペチカで暖まる。

ただ、標高が3880mとかなり高いので、今日は体を慣らすためにもアルコールはやめましょうと上山さんから呼び掛けがあったので、それに従うこととする。


6日
 朝5時45分に目を覚ます。カーテンを開けて外を見るとようやく山の形が見える状態まで明るくなっている。6時近くなりだいぶ明るくなったので、サンルームに行ってみる。山が白くなっているのがわかるほど明るくなっており、エベレストだけには雲がたなびいていて、その雲が太陽に光でピンク色になっている。

その雲もだんだん白くなり、6時40分過ぎには完全に白色になってしまう。

 6時19分にはティギラギタウ(6943m)山頂付近に陽が当たる。

さらにコンデリ主峰(6730m)2峰(6500m)3峰(6187m)4峰(6093m)やパナヨテッパ(6696m)山にも次々と陽が当たるようになる。

 モーニングコールで部屋にお湯が届けられる時間になったので一度部屋に戻る。すると、朝霧が出てもうエベレストがかすんできたのがわかる。
 そして7時15分過ぎにはタムセルク(6623m)から光の帯が見えるようになる。

 7時半の朝食後、部屋に戻ってから散策の準備をする。今日はクムジュン村とクンデ村を経由してクンデピーク(約4000m)からの展望を楽しむ予定だ。
 ホテルを出てから右向に進み、下って行く。クムジュンの集落が見える。

屋根と壁はみな同じ色に統一されている。
 途中、集落の中のトイレを使わせてもらう。中は落ち葉だらけのトイレだった。

学校に通う子供たちに出会う。

 クムジュン村では学校に入る。小学校や中学校が併設されている。

ヒラリーさんと言う人がこの学校を開設したようで銅像があった。

 クムジュンの学校を出たところで2班に分かれ我々はクンデ村へ向かう。
 クンデピークには11時に着き、昼食を摂る。

すると早速目ざといカラスが寄ってきて食べ物をねだる。数は30〜40匹ぐらいはいただろうか。着いてきた犬と取り合いをしている。この付近の石には銅が含まれているらしく、銅の色の模様がある石が多い。1片持ってきたがホテルで洗って外に出してそのまま忘れてしまった。
 12時前にピークを後にする。ピーク近くの四角い塔は墓とのこと。

 放牧地を経由してホテルに1時半に戻る。
 この日の夕食はカツで、2日ぶりにアルコールが飲め、殊のほか美味しかった。

7日
 今日はいよいよ山を降りる日だ。目に焼きついたエベレストをもう一度しみじみと眺める。

やがて太陽が昨日光の帯が見えたタムセルクから顔を出す。

暖かい。太陽の光がこんなに暖かいのか実感する。
 さて、下山コースが空港まで歩くのか近くにヘリが来てくれるのか不明だったが、上山さんから「ヘリが来てくれる」とのこと。
 7時半にホテルを出て、すぐ使く近くの平らな所に向かう。

やがて赤いヘリが来て第1陣の人が乗り込む。

飛び立った後、10分もしないうちにまた来た。乗りこんですぐ飛び立つ。

ものの5分でルクラ空港に着く。

持ち物検査の後すぐにセスナに乗り込む。

 飛び立つときは下りなのでスリルがあると思い一番前に座ったが、窓が高く滑走路が良く見えない。腰を浮かせて何とか見ようとしたが、滑走路に凹凸があるのかガタガタゆれて、思わずもらった飴を飲みこんでしまい、おまけに写真も撮れなかった。あっという間に離陸する。
 白い山々を右手に見ながら、やがてゴチャゴチャしているカトマンズ市内が見える。結構高層の建物もあるようだ。
 空港内のバスで先発や後発の他のメンバーとも一緒になる。
 空港から迎えに来てくれたマイクロバスで二ーナさんに再会し、最初のマッラホテルに戻る。明るい市内はバイクが多くクラクションもけたたましい。埃っぽく多くの人がマスクをしているし、渋滞も多い。

8日(略)
9日(略)
10日(略)

今回の旅で感じたこと
 ネパールという国はエベレスト山脈という大きな観光資源を持ってはいるが、国内での産業が発達しておらず、海に面していないため貿易もままならず、国の発展がやや遅れているのが残念だ。人々の生活も勢い豊かさとは程遠いように見受けられる。国家としての組織や法律も十分に明文化されていないのだろうか。治安は行き届いているが、国民性もあるのかややのんびりしすぎている感も否めない。エベレストが見れたことを感謝しながら、これからこの国が早く良くなっていくことを望む。