雨飾山に登る
 コース及びコースタイム
 10/22(金)
  新宿駅23:50発 急行アルプス号
 10/23(土)
  南小谷駅(5:55〜6:35)ー根知駅(7:10〜7:20)ー(タクシー)ー雨飾温泉(7:50〜8:50)〜中ノ池(11:    20〜11:30)〜笹平12:30〜雨飾山(1:00〜1:45)〜笹平2:10〜荒菅沢3:25〜小谷温泉休憩舎5:00〜   小谷温泉5:40
 10/24(日)
 小谷温泉8:30――南小谷駅9:15〜9:25――松本駅11:40〜12:10――新宿駅2:40


 今回も職場のワンダーフォーゲル部の仲間と登山に行った。場所は新潟県と長野県の県境にある百名山の1つ,雨飾山。標高は1963mと2000mに満たないが,なかなか険しく,登りでのある山だった。また今回は部長から幹事役をまかせられた。
 雨飾山は頂上付近に山小屋はなく,新潟県側と長野県側にそれぞれ温泉を持つ宿泊施設がある。新潟県側は雨飾温泉で宿は1軒,一方長野県側は小谷温泉といい,宿は村営の山荘を合わせて全部で4軒ある。ところがすでに9月中旬に部長の酒井さんが問い合わせたところ,1軒しかない雨飾温泉の宿は満員とのこと。長野県側から入ったほうが若干早く山を登り始められるとの思案は外れたが,とりあえず小谷温泉の宿を予約する。
 新潟県側は大糸線の「根知」という駅から入るが,バスは途中の「山口」というところまでしかない。2時間近くも夜行で疲れた体で歩きたくないので,雨飾温泉までのタクシーも予約する。
 計画書も出来上がり,部のメンバーに配り,参加者を募ると今月に入って6人になった。男性4人に女性が2人と,久しぶりに男のほうが多くなった。ところが一週間前の16日から17日にかけて日本列島に寒波がやってきて,立山付近は1600m以上の山は冠雪したというではないか!念のため宿に電話すると,確かに雪は降ったが,この季節では根雪にはならないでしょうとのこと。とりあえずメンバーには連絡するとともに,荷物にアイゼンを追加する。出発当日に宮崎会計から補助金も受け取り,準備はすべて整った。
H11.10.22(金)
 新宿駅に11時までに着くよう9時40分過ぎに我が家を出る。登戸経由で新宿駅に10時30頃着くとすでにメンバーの中の佐野さんご夫婦が来ていて,自由席の乗車口の先頭に荷物を置いてくれていた。急行アルプス号は時刻表では信濃大町行きだが,ホームの表示には南小谷行きになっている。どうやら信濃大町までは「急行」でそこから先は「快速」になるようだ。やがてメンバーは全員集まり,急行アルプス号は予定通り入線し,11:50に出発する。
H11.10.23(土)
 明るくなるのは遅く,6時前になってようやくうっすらと明るくなってきた。やがて定刻の5:55に南小谷駅に着く。電車に乗っていた大部分の人は駅を降りて、駅前からタクシーに乗っていく。我々は反対側のホームに行き6:35発の「糸魚川」行きの電車をまつ。
 近くの山もガスに覆われて良く見えない。ホームで一緒だった地元の中学生の話だと、これから日本海までイカを釣りに行くという。
 やがてきた電車はワンマンの1両編成だ。電車は定刻に発車したが,途中の長いトンネルを抜けると雨が降ってきた。しかも横殴りの雨だ。急に不安になってきた。その後目的の根知駅に着く頃には少し小降りになってはきたが、やむ様子はない。部長の酒井さんは駅に予約しているタクシーにキャンセル料を払って返し、,今日は小谷温泉に泊まって明日登ろうと言いだす始末。
 根知駅には予約していたタクシーが待っており、話をしてとりあえず山の天気を確かめようと雨飾温泉に電話を入れたが通じない。タクシーの運転手さんにタクシー会社に無線で電話番号を確認してくれるようお願いしたが、会社でも携帯電話の番号なのでわからないとのこと。どうしようか迷っていたら、機転を利かして仲間の誰かがたまたま近くを登校途中の小学生に今日の天気を聞いたら「雨のち曇り」との返事が返ってきたとのこと。
 雨も小降りなのでとにかくせっかく予約してきてくれたタクシーに乗り,とりあえず雨飾温泉まで行くことにする。途中でほとんど人の乗っていない神戸ナンバーのバスにすれ違ったので、「神戸からの団体が山に登りに来ているようだ」と運転手が説明してくれた。案の定しばらく行くと20人くらいの団体が雨合羽を来て歩いていく。大型バスなので雨飾温泉まで入れず途中から歩かざるを得ないないようだ。また3年ほど前までは雨飾温泉の1km手前までしか車も入れなかったようだ。
 タクシーを降り,雨飾温泉の宿に荷物を置き,宿のひさしの下で朝食の準備をする。私は玄関の入口で準備をしてしまったが,みんなは裏に回って準備をしていた。朝食を採っているときにさっきタクシーを乗っているとき追い抜いた神戸の団体が山荘の脇を登山道へと向かっていった。食事を済ませてから,雨支度を整えて,記念写真を撮ってから出発する。
 最初からやや急な道が続いたが,尾根道に何回も出て,高度さを稼ぎながら登っていく。視界はまったく利かず、上も下を見ても霧しか見えない。それでも紅葉が少しづつ見事になっていくようだ。地図の1309mのコルも気かつかない間に通り過ぎたようだ。11時を少し過ぎた時、上から下りてきた人に「池は通ってきましたか」と尋ねたら「もう少し上ですよ」との返事。やがて少し登ってから「中ノ池」が現れる。このころから雨もほとんどやみ,空もかすかに明るくなり始める。ここまでくれば標高は約1550m、あと400mで頂上だ。


 少し休憩していたら,グループの江面さんが足がつると言い出した。案の定、歩き出したら遅れ始めた。中ノ池からは100mほど一気に登る。登りつめたあたりから先頭を歩いていた女性のペースが遅くなる。やがて上のほうに樹木が見えなくなり,笹平が近づいたことがわかった。急に笹が生い茂るところにでたかと思うと、ようやく「笹平」と書いた標識のあるT字路に出る。時刻はすでに12:30になっていた。山荘から3時間40分もかかってしまった。
 T字路を右に取り、相変わらずぬかるんで悪い道を霧の中を進む。
やがて10分ほど歩いたら、道は急な登りになってきた。岩の間の急な登り道を登って行くと、突然頂上の標識が霧の中に見えてきた。


双耳峰とはいうが二つの頂は50mも離れていない。
 1時にもなっていたので,早速昼食の準備に取りかかりたかったが,何せ寒い。とりあえずヤッケを着て,寒さから体を守る。バーナーに火をつけて手をかざして温まる。昼は「アサリとトマトの煮込みご飯」だ。初めてなのでどういう味か興味があったが、食べてみるとなかなかいける味だ。山の食事に新しいレパートリーが増えたという感じだ。同行の江面さんは寒くて山頂にいられず,少し下のほうに避難してしまい,記念写真で声をかけても山頂に上がってこなかった。
 食事が終わると体も温まりほっとするが,寒いうえに,周りを見ても雲しか見えない状態で、展望は良くなる気配すらないので,記念写真が済んでからは早速下りることにする。
 急な岩場を下ってから,笹平に出てT字路をまっすぐ進み、少し登った後,下りの道になる。かなり急な下りだ。道はますます荒れ,泥が膝のあたりまで跳ね返る。「荒菅沢」に出て沢の間をとおり,しばらく巻道を進んでから、さらに下る。いいかげんうんざりしたところで,遠くに駐車場と建物が見えてきた。
 やがて4:30頃になってようやく河原に出てから,平らな道を進み、木道に出る。小さな橋を渡り少し登ると、ようやく先ほどから見えていた「小谷温泉休憩舎」に出る。水道があったので靴の泥を洗い落とす。もう5時にもなっていたので,今日の宿である太田旅館に電話を入れる。山のほうを振返ると雨飾山の双耳峰がくっきりと見えた。また満月が山の稜線のすぐ上に出ていてきれいだった。舗装された林道を歩いていたら,太田旅館からの迎えの車にあい,ありがたく乗せてもらうことにする。その夜の宿の温泉とビールはいうことがなかった。
10/24(日)
 朝から快晴になりまっすぐ東京に帰るのがもったいないくらいであった。


朝食後清算をしてから,タクシーを呼んでもらい南小谷駅まで乗っていく途中、五竜,唐松,鑓から白馬まで、ダイナミックな後立山連峰が目の前に急に現れびっくりする。
 南小谷駅で駅係員とちょっといやな出来事があったが,大糸線の電車に乗ってからも、さらに鹿島槍や爺が岳の山々を合わせて目の前にくっきりとすばらしい山並みが広がっていた。

  さらに松本駅から特急あずさ号に乗ってからも,遠く中央アルプスや八ヶ岳、鋸岳、甲斐駒、鳳凰三山、北岳、の山々が見事な姿を見せていた。


主な標高
 雨飾温泉    約 850    中ノ池    約1550
 笹  平    約1850    雨飾山     1963 
 小谷温泉休憩舎 約1160    小谷温泉   約 900

費用
 東京区内〜根知      7040円
 根知〜雨飾温泉      1700円
             (タクシー代5100円を3人で割勘)
 太田旅館(小谷温泉)   11000円
 小谷温泉〜南小谷駅    1030円
              (タクシー代5150円を5人で割勘)
 南小谷〜東京区内     4800円
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     合計       25570円