焼石岳に登る
                   北の大地は高山植物の宝庫だ
H11.6..25〜27 大田区公園課 青木 康博
6月25日(金)
 池袋で夜行バスに乗るため夜9時過ぎに自宅を出る。夕方まで降っていた雨もやみ、傘もどうにかささずに、バス停に向かう。天気予報では明日も関東地方は天気が悪いらしいが、東北地方の岩手県は、梅雨前線の影響を受けず、明日いっぱいまでは雨は降らないらしい。 池袋駅で降り、バス停のある西口に向かうと、金曜日の夜なのでたくさんの若者がたむろしている。「盛岡行き」のバス停を探してたどり着くと、すでに同行の谷田部さんが並んでいた。「こんばんわ」と声をかけたら、すでに池袋で乗る予定の佐野さん、古野さんも来ているとのこと。バスを待っている間にビールを買い込む。そのうちにポツリポツリと雨が降ってきた。バスは発車予定の時間をやや過ぎてから来た。車内は3人掛けで通路が2つあり、ひじが隣の人とぶつかることがなく、そのぶん寝やすくなっている。また、前後のシートにかなり余裕があったり、トイレもあるが、昨年巻機山に行ったときのように公衆電話はついてなかった。カーテンもスライド式ではなく留めボタンをはずさないと外の景色は見えないようになっており、途中から運転席との間にもカーテンが閉められ徹底的に「寝るバス」の構造になっている。 
 途中大宮で残る二人(酒井さん・坂倉さん)が乗ったらしいが、気がつかず、このころすでに寝ていたようだ。

6月26日(土)
 何回となく目はさめたが、4時を過ぎるとになると、だいぶカーテンの外が明るくなっている。外を見てみるといい天気だ。どうやら梅雨前線の北に来たらしい。今日一日は快適な山歩きを楽しめそうだ。バスは定刻どおり、水沢駅前に5時30分につく。すでに予約してあるタクシーが止まっており、先に到着していた再雇用の吉沢さんとともに、洗面等を済ませてから乗り込む。
 タクシーが出発して間もなく右手の方向にややとがった感じの山が見えてきた。どうやら今回目標の焼石岳らしい。そのうち急に舗装道をはずれて砂利道へと入っていった。標識も何もないから普通の乗用車だったら、見落としてしまうようなところだ。運転手さんの説明どおり約1時間ほどで駐車場につく。
 すでに20台ほどの車が止まっており、三々五々、出発準備をしている。我々もタクシーを降り、荷物を下ろし付近を見渡したが、トイレがない?しょうがないので奥に続く道を少し歩いて、適当な笹の中で用を済ます。このときドジをして、しばらくの間不愉快な目にあう。さっきのところに戻って見ると、皆が朝食をとっている。私も持ってきたぶどうパンとチーズで簡単な朝食にする。ベンチのような座るところもなく、なんとなく落ち着かない。先に朝食をはじめた6人が「お先に」と出発してしまった。
 5〜6分あとに出発したが、その前にも3つ〜4つの団体が入り前に進めなかったが、20分ほど歩くと追いついてしまった。道は緩やかな登りなので、岩こそ大きいが、歩きやすい。追いついて5分ほど休んでから出発しようとしたが、早くも最年長の吉沢さんが「あとから、遅れていくよ」と言い出した。
 やがて歩き始めて45分ほどで、中沼 につく。

  中沼 は西側に湿原のある小さな湖だ。ここからは少し登りも緩やかになってきて、小さな湿原や残雪ががあちこちに点在してくる。上沼 は静かな湖だ。やがて「つぶ沼」との分岐点も気がつかないまま通り過ぎてから、銀明水 にたどり着く。銀明水 はおいしいことはもちろんだが、冷たく、手をつけるとほんの2〜3秒で痛くなってくるほどだ。(うそだと思ったら試してみたら)
 

  銀明水でトイレ休憩やら、遅れている吉沢さんを待つやらして1時間近く休憩するが、ついに吉沢さんは現れず、出発することにした。ここからしばらくは沢伝いに歩くが、沢のすぐそばには「シラネアオイ」や「水芭蕉」が咲いていた。やがて広々とした草原にでたかと思うと、正面には焼石岳 、右手には東焼石岳 が見えてきた。
 東焼石岳 への分岐点に荷物を置いて焼石岳を往復する。

  途中右手に見えた雪渓は濃い緑とのコントラストが見事だった。また直下にある「泉水沼」と脇にある雪渓から見上げる焼石岳もまた風情があった。

 やがて先ほどの分岐点に戻って、昼食にする。赤飯にカレーという超豪華版だ。朝はいそいそとせかされたように食べたので、殊の外おいしい。
   ここからの東焼石岳 への道は高山植物の宝庫だった。

  緩やかな斜面に色とりどりの多種類の植物が咲いている。東焼石岳 の頂上を過ぎると今までのお花畑とは違った、ごく普通の山並みがひろがるようになった。やがて「六沢山」を過ぎると下りの道が続くようになり、今日の宿泊予定の「金明水避難小屋」も見えて来た。
 

  金明水避難小屋には3時過ぎについたが、すでに小屋の中は満員に近い状態だった。それでも何とか小屋の中に寝られる場所を確保できた。汗でぬれた服の着替えをトイレの中ですばやく済ませて、食事場所の確保に取り掛かる。板を2枚重ねてテーブルにし、刈り取られた草があったので敷いて、座布団代わりにする。ラーメンは6人分まとめて作ったので水が十分入りきらず、やや塩っぽいラーメンになってしまった。女性陣からは沢山のおかずが提供され、また酒井さんからはおいしい「ソーセージ入りチゲなべ」が提供された。この時にウィスキーを飲んだので虫を呼んでしまったのか、腕などたくさん刺されてしまい、帰ってからしばらく腫れていた。この夕食の最中に、とっくにひき返したと思っていた吉沢さんが4時半頃になって、ようやく到着する。
 夜、外で寝ることになってしまった人が遅くまで宴会を開いていた。  
 トイレに起きた10時頃空を見上げたが星は何も見えなかった。 

6月27日(日)
 小屋の中で30人ほどの人が寝たのだろうか、人いきれで夜中は少し暑かった。
 4時ごろから起き出してうるさいので寝られず、起き出す。外に出てお湯を沸かし、朝食の準備をする。金明水の水は冷たく、いっぺんで目がさめる。空は雲がどんよりとしており、朝からガスが上ってきている。今日の天気は期待できない。それより雨が降ってくるかもしれない。40%の確率は当っているようだ。
 6時に小屋を後にする。「天竺山」の山裾を通り、経塚山 を目指す。笹の葉が朝露で濡れており、踏み跡も狭くニッカズボンがたちまち濡れる。「サイの河原」に出たときはすっかりガスで覆われていた。経塚山 も杭が一本あるだけで山頂名を示すものは何もない。経塚山からは雨も降り出し、また稜線で風も強くなってきた。またコースタイムも経塚山までは順調だったが、地図では1km程しかない御坪の庭 までが約1時間かかるし、林道までが2時間とあるが約3時間かかってしまった。川には新しいオレンジ色の橋が架かっており、川原に下りずに助かったが、手前のきつい下りは足に応え、最後の鎖場はスリルがあった。
 オレンジ色の橋を渡り、急な登りを3〜4分ほど登るとすぐ林道に出たが、この林道もしばらく登りが続き、疲れた足にさらに応えた。さらに夏湯温泉 に出る直前に最近起こった崖崩れのため、滑りやすい斜面を通らねばならず、夏湯温泉 に着いたときは正直ホッとした。
 夏湯温泉についたときは雨も本降りになっていた。ここは湯治客が多いせいが「自炊宿」が多く、また外湯は混浴が多いようだ。
 バス停でバスの発車時間を確認して、国民宿舎で昼食もかねて休憩することにする。先に温泉につかりたかったが、食堂の営業時間が1時までなのでとりあえず、食事を先にする。二日ぶりのビールはおいしく、この幸福感はなんともいえない。地ビールは「鬼シリーズ」で国民宿舎は「白鬼」と「青鬼」しかなかったが、新幹線の駅では「赤鬼」もあった。またうどんは半透明でおいしかった。食事の後温泉につかり、汗を流し、さっぱりとする。
 さてバスの発車時間が迫ったので国民宿舎を後にし、バス停に向かったが、バスは待てどもやってこない。近くの湯の人に訊いたらバスはとっくに行ってしまったよとのこと。どうやらバス停に表示してある時刻表は間違っているらしい。あきれるやら感心するやら、しょうがないのでまた国民宿舎に戻ってタクシーを頼むことにする。
 やがて大型のマイクロバスのタクシーがやってきたので乗り、新幹線の「北上駅」に向かう。北上駅でも50分ほど待つ。北上駅は盛岡から2つ目だがすでに9分ほどの混雑で、席は離れたが、全員何とか座れる。「赤鬼」も「白」や「青」に劣らずおいしかった。
 
コース
 6月25日(金)  自宅9:00――池袋10:10〜10:40高速バス――――
 6月26日(土) 
  水沢駅5:34〜6:00タクシー――――中沼駐車場6:50〜7:00徒歩45分――――中沼7:        
  45徒歩――――銀明水9:15〜10:10―徒歩――――分岐点11:20――――焼石岳              
  11:45〜12:00徒歩――――分岐点12:15〜1:00――――東焼石岳1:25― 
  ――六沢山1:50――――金明水避難小屋3:15
6月27日(日)
 金明水避難小屋6:00――――経塚山7:35〜7:45――――御坪の庭8:50 〜
 9:00――――夏油川の橋10:40――――林道10:50徒歩――――夏油温泉11: 
 50〜3:00タクシー――――北上駅4:00〜4:52新幹線――――東京駅7:30――――自宅 
 8:40

主な標高
 中沼駐車場  720   中  沼   920    銀  明  水  1150
 焼 石 岳  1548   東焼石岳   1507 金明水避難小屋  1180
経 塚 山  1373   夏油川の橋  700    夏 油 温 泉 約600

今回の山で目にした高山植物(順不同)
 ツガザクラ・イワベンケイ・ユキワリザクラ・イワイチョウ・ムシトリスミレ・ハクサンフウロ・コバイケイ・キヌガサソウ・ウラジロヨウラク・シラタマノキ・スズラン・ツマトリソウ・ウスユキソウ・コケモモ・ミヤマハンショウズル・イワカガミ・ショウジョウバカマ・ムラサキケマン・シラネアオイ・ミズバショウ
 
費  用   
 高速バス(池袋〜水沢)     7,440
 タクシー(水沢〜中沼駐車場)  2,600(メーターは7,800)3人用
 タクシー(夏油温泉〜北上)   2,200(メーターは11,000)5人用
 新幹線代(北上〜東京駅)   12,400
 その他(入湯代昼食代ビール代) 3,000